それは喉元をすぎる悪夢か地獄を歩む最中の幻想か

推しのコンサートに馳せ参じました。

推しに会いに行くために海を越える決断力ってすごいな〜〜って他人を見ていたのだけど、推しグルが本国で単コンをやるって聞いた時にものすごく本国のペンを羨ましく思ったのだ。日本でもファンミーティングを終えた後だったし私はそれを全日程参加したわけだけれど、コンサートってやっぱり一線を画して特別なものだと思うので、心の底から行きたいと思ったのだ。

 

先人の皆様へ。

推しに会いに行くために海を越えたい気持ち、こういうことなんですね。

ということで、2022 VERIVERY 1st CONCERT PAGE : Oの2日目に参加してまいりました。

 

 

コンサート終わりの私は常にそうなんだけど何から書けばいいかわからないので、今回の記事も書き殴りです。レポの類はございません、ご容赦ください。

 

初日は配信で見たら2日目の現場参戦までに程度の覚悟ができるだろうと思っていた。そんなことはなかった。

不穏なVCRを経て、ゆっくりと赤い照明を浴びて床からぬらりと立ち上がるように出てくるベリくんを画面越しに見た時から、「これは本気だ」と一旦総毛立った。それは実物を見ても変わらなかった。むしろ直に浴びてしまったので私は心の中で膝を折った。ファンミーティングの可愛い平和なゆるふわベリくんなんぞではなかった。穴の下に落ちて深い闇の中にいる自分達と向き合い続けて、それに勝った後の彼らがいた。今思えば、あれは凱旋だったのかもしれない。自分達に勝って這い上がってきたぞ、という。

その演出を経てから、かつてRoad to Kingdomでやったステージのオマージュを披露するベリくんで本当に誇張なしに私は成仏してしまったのですよ。どうする?誰よりベリくんたちが一番ロキン好きじゃんね。オタク見てる!?!?!(?)

Road to Kingdom2次戦のPHOTOに一本釣りされてベリくんにどハマりしている私にとって、カンミンちゃまの首を弄ぶミンチャンさんと、逃げ出そうとするカンミンちゃまに迫るケヒョンヨンスンの演技を生で見れるなんて思ってなくて、モスキートーンもびっくりの高い声を出して固まるしかできなくなっていた。あのカット絶対にいいカメラ撮られるべきだし映像化してほしい。本当に後生だから。私の原点だから……

 


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ビュエクもロキン最終回の振り付けや構成、音源が使われていて本当によかった。ロキンの亡霊は完全に成仏しました。


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ところでちょっと話が逸れるのだけど、実際に飛行機と宿と席を押さえてからしばらくずっと、私はどうしてベリくんをずっと好きでいられるのだろうと考えていた。いろんなステージを見返しながら、これだけ簡単に海の外へ足を運んでしまえるくらいの原動力を私に持たせる理由はなんなんだろう。私は本当に飽き性なので韓国のアイドルを好きになってから一つのグループを好きでいた期間が1年にも満たないのだけど、ベリくんだけは好きになってからもう3年目に突入している。そんな私が本国のコンサートに足を運ぶまでになった理由をずっと考えていたんだけど結局日本を発つまでに答えは出なくて、数週間かけて考えていた答えが最終的に出たのは、現地で公演を最後まで見届けてから、電車を乗り換えるために歩いている間だった。

ベリくんは、自分達が歩いてきた軌跡に残っているもの全てを大切にしていることが、彼らを見ているだけでも手に取るようにわかるところがある。それが好きなんだと思う。

例えば今回のコンサートにロキンをオマージュした演出を取り入れるのはメンバーたち本人のアイデアらしいけれど、初めての単独コンサートという意味の大きい場でかつてすでに自分達が世間に見せたもののオマージュを取り入れるのって、よほど大事ものではない限りやらないことじゃなかろうか。だって一度世間に広まっているものなわけだし。それを再度取り込んで糧にして作り替えてからまた見せる、そんな時間を単独コンサートという限られた大切な時間の中に設けて、しかもそのために練習時間も割くわけであって、それはきっと大切な思い出に対してする扱いだと思う。

ベリくんがロキンを大切にしているという事実に、私はジンと来てしまったのだ。

私はその当時彼らの言動を追っていたわけじゃないけど、メンバーたちがしんどそうにしているのが目に見えていたらしい。カムバック準備も並行して行っていたからか、弱気な発言もちょっと多かったし、極限状態のような練習室風景を見せられている気がしていた。誰から見てもしんどい番組だと思う。順位をつけられる番組はシステムそのものもしんどければそれに要する労力の量を取っても大変だ。今でこそその類の番組で披露した特別な舞台を直近のイベントで披露するということもままあるけれど、あれから2年経った単コンでやるのとはまた扱いが違うと思う。ベリくんの中であの期間は、今やなくてはならないものになっているのだ。

もちろん、そこに至るまでにたくさんの処理が挟まったはずだ。体力的にも精神的にも。他人から認められないということはとても辛いことだけど、自分が自分を認めてあげられないというのはもっと辛い。それまでやってきた自分を肯定することって、誰よりも自分が一番自分と向き合わなければできないことだと思うので、あれだけ大きな荷物を片付けて自分のものにできてしまったベリくんは、本当に偉い。

それからベリくんの原点はニュージャックスイングなわけだけど、それを一番よく知っているのは別にファンでもなんでもなくて、ベリくん本人だった。

こちら自作曲、振り付けも振付師の先生を交えてメンバーが作ったもので、歌詞にも「ニュージャックスイング」って文言が含まれている。

自分達の原点ジャンルの舞台をたくさん話し合ってたくさん時間をかけて新しく生み出して、こんなに楽しそうに披露してくれること、なかなかないと思う。

ねえ多分私たちが思ってるよりVERIVERYが一番VERIVERYのこと大好きだよ。わかる。私も好きです。VERIVERYってなんでもできちゃってかっこいいしね。

 

永遠を夢見るとしっぺがえしを食らうと思っているから、まあしょうがないって思えるまでの肩入れに止めようとしているんだけど、どうやらうまくいかないかもしれない。かっこよくて可愛くてこんなに愛情深いグループのこと、どうやって好きじゃなくいられるだろう。

一生VERRERでいてよ❗️って言うまではよくあるフレーズだとしても、じゃあ僕たちも一生VERIVERYでいなきゃね〜〜って普通に言ってのけられてしまうのってなかなかない。VERIVERYは自分達の過去も現在も未来も大事にしていて、その隣にVERRERがいるから頑張れるんだよ〜〜って言うんだけど、それだけ言われるとあなたたちが隣にいてくれるから頑張れるので…と鶏が先か卵が先かみたいな屁理屈を捏ねてしまう私でも、お互いを支え合って一緒に歩いていこうね〜〜と言われると涙を浮かべて頷くしかなくなってしまうらしい。雨の日には傘を差してくれて、晴れた夜には綺麗な星を指差して教えてくれるVERIVERYというグループがとても好きだなって、思いました。

 

ロキンPHOTOオマージュイントロを含むTag Tag Tagの音も怖ければ踊っている彼らの表情も人間味を削ぎ落としたような恐ろしさを孕んでいてすごく怖かったんだけど(私は怖いアイドルが大好きなので大いに喜んだんですけど)、その後にすぐSKYDIVEが続いてふんわりゆったりしたベリくんの浮遊感に包まれて夢を見ているような心地になった。楽しそうにサインボールを投げる彼らを見ながら一瞬だけ、どっちが夢なのかわからなくなったのだ。悪い夢を見ていたのか、幸せな夢を見ているのか。

ベリくんが生きる日々において、彼らに訪れるものはなんだろう。

幸せな日々に影を落とす一瞬の絶望か、銃口を突きつけられたまま進む暗い道に差す一瞬の幸福か。わからないし、わかる必要もないんだけど。他人の目線から見る人の感情も感覚も、どうせ他人事の憶測でしかないから。

でもこれだけはわかる気がする。

ベリくんの道はどこまでも長く伸びていて、そこで走り出すのはもちろん自分だし、そのスタートの合図として引き金を引く権利を誰にも奪わせるつもりがないんだなあって。終盤の3連有酸素運動ゾーンを見て思いました。

どんな道でも突き進む覚悟を持っていて、自分の行く先を自分で決める意志の力も持っていて、背中を押してくれる人からの愛情も全部持って背負って、舞台の上で照明を浴びて輝いてくれる人たち、本当に最高にかっこいい。舞台の照明のことを命を焼く灯火だと思っているんだけど*1、それでも彼らは応援してくれる人たちのために覚悟を持って最高の姿を見せてくれるのだ。

彼らのその覚悟の前では、喉元をすぎる悪夢か地獄を歩む最中の幻想かなんて論題も、全部胡蝶の夢でしかないのかもしれない。

自分達に向かう愛を大切にできても、自分達自身のことを認められる人はそんなにいない。

だから、どっちも大事にしていることを傍目からでもわかるくらいに示してくれるベリくんが、私は大好きだ。

 

 

一生一緒にいてくれや、、*2

*1:スポットライトそのものがめっちゃ暑いってのもあるけどその照明を浴びるまでの準備で命を削っている場合がままあるよねって話

*2:明日の飛行機が墜落しませんように